農業、食、コミュニティと時々落語。

これまでと今とこれから。

インタビューその5

【まとめ】

とにかく政府はオーガニック農業を推奨しているらしいということが今日のことでよくわかった。グループではなく、もうひとつ大きいコミュというのが存在し、そちらの方が大きなメリットがある。政府の援助は出来る限り手を尽くしていると思う。しかし、改善点もある。



【農場その2】

今日は訪れたのは前日の農場とは逆方向にある農場。昨日と同じくらいか、それ以上に細い道と登り坂を上がっていくとやはり15分くらいで農場に到着した。14人のメンバーで6000㎡のPGSの認証を得ているオーガニック農場を1つ運営している。栽培しているのは野菜のみで、品目は27種類を数える。台風が近づくあまり良い天気ではない中、農場を案内してくれた。「見た目は悪い農場だけど、質は良いんだぞ」って言っていたのが、印象的である。



【農場について】

6000㎡の内、100%が借り物である。その内半分が国から借りていて、残りの半分は他の農家から借りている。それぞれのレンタル料は国には年間売上高の5%(3000㎡)、他の農家には年間売上高の50%である。(3000㎡)国のレンタル料は納得行くが、他の農家がいかに、法外な値段で貸し出しているかがわかる。この計約は5年毎の更新である。



【労働時間】

天気が悪い時は14:00~21:00(最長)
天気が良い時は16:00~21:00(最長)
午前中は各自の農地での仕事をする。



【男女混合グループ】

14人の内訳は2人が男性、12人が女性である。メンバーはそれぞれ自分の慣行農法の農地を持ち、オーガニック農場はグループのみでやている。それぞれの土地でオーガニック農業をやらない理由は①PGSは1人だと出来ないから②土地が分散していて効率的ではない。この2点である。



【グループではなく、コミュ】

14人のメンバーというのは、2つのグループが合併して出来たものである。2008年に1つ目のオーガニック農場グループが出来、2011年に2つ目のオーガニック農場グループが出来る。同年、コミュという大きなグループにした方が政府からの補助等メリットが大きいことを双方合意の元に合併した。コミュの名前は「Mong」コミュ。モン族のMongである。この地域の人口は80%がモン族の人間らしく、とても珍しいという。このモン族と日本には似ているところがたくさんあるのだという。



【政府の援助(資金)】

ここの農場では政府の援助について色々と話してくれた。野菜を綺麗にしてパッキングするための施設や、簡易トンネル用の鉄製フレーム、ビニルシート…等のものは農場グループだけではとても買えない。そこで政府の援助の出番なのであるが、この援助の仕組みをステップを追って見てみる。
①政府に「〇〇が☓☓のために欲しい。」と申請する。
②政府がそれを受けて検討する。
③②が通れば①の50%の資金を援助する。



【政府の援助(土地)】

上記に少し触れたが、国土地である場合だれでも土地は借りることが出来る。しかし、オーガニック農業をやるという場合には優遇される。慣行農業をやるという人とオーガニック農業をやるという人が同じ土地を借りたいといった場合、政府はオーガニック農業をやりたいという人に優先的に貸し出すという。




【政府の援助(売り先)】

モンコミュでは2つの販売先を持っている。いずれも政府からの紹介である。ただ、どちらもオーガニック農産物の専門店では無く、様々なものを取り扱ったお店であるとのこと。政府と取扱店は協力して時々消費者を農場に連れてきているということ。



【援助の問題点】
・購入費の50%を援助したときに、オーガニック農場で使うということをあまり考えていないのではないかということ。話を聞く限り、鉄製のフレームはそのまま使うと、ダイオキシン類の汚染が発生するのでテープを撒いて使用しているとのこと。また、鉄製のもの以前は、竹製のものを使っていた形跡があり、こちらを使うように推奨するべきなのでないかということ。
・オーガニック農産物であるということのブランドは確立出来ていて、消費者も時々農場に足を運ぶとのことだが、販売先に野菜を綺麗にする施設の写真を置いてあげるなどの工夫が必要である。